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【DC】別れても好きな人【番外短編集】

第10章 二度目の初夜/警察学校組【降谷贔屓オール夢】


「そのノート、…絶対言わないでくださいね」
「さっき部屋に帰ってきた降谷、不機嫌だったけどこれが原因?」
「……今日、…ノート終わったら…誘われたんだけど」
「生理って答えたとか」
「なんで知って」
「一カ月に二回も生理は普通来ないだろって言ってたから」
「………ちょっと可愛い」

私の前では余裕のある様子だったのに。

「…とりあえず着替えたあと寮の前で合流な」
「着替えるの?」
「デートみたいだろ」

なにそれ、と笑って頷いた。



伊達さんと二人で出かけるなんて初めてで。
寮の前で待っていた伊達さんに、抱きついた。

「お待たせしました!」
「元気だな」

気分転換。
伊達さんからの誘いは、嬉しかった。
他のメンバーに聞きづらいことも、伊達さんになら聞ける。
…お父さんみたい。

「なにするんです?」
「なにって…何か食べたいものとか?」
「食べ歩き?」

どこ行こうか、と言いながら伊達さんの隣を歩く。

「電車乗る?」
「…それは降谷に悪いからな」

なんで?と訊ねれば頭をくしゃくしゃ撫でられた。

「降谷の誘い断っただろ」
「…それは、あんな誘いだったから」
「デートだったら?」
「……行く」
「つまり、そういう行為前提だったから断ったと」

降谷らしくないな、と言われてその通りなのだと頷いた。

「…男の人って、そういうこと……たくさんしたい?」
「どうだろうな」

笑われて。

「でも…一緒にいる時間が増えたら、もっと触れたいと思うかもな」

俺もそうだから、と頭を撫でられて。

「伊達さんも?」
「…お前の笑顔は、俺たちを温かい気持ちにさせるから」
「?…なんで私の話?」

知らなくて良い、とまた頭を撫でられて。
髪の毛がぐしゃぐしゃになる。

「もうっ!伊達さんやめて!」
「はは、お前は呑気に笑っていろ」
「あー、もう!バカにしてる!」

伊達さんと手を繋いで、陽が暮れる頃に寮まで戻った。

「伊達さんって、お父さんみたい」
「年齢大して変わらないだろ」
「そうだけど、…安心する」

今日はありがとう、と言って玄関で別れた。

「…俺も男だけどな」

見送り呟く彼の言葉は、私には聞こえない。



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