第1章
…
からの指令を受けたチョコレートジェラートと、自分のためのストロベリージェラートを持って、の元へと戻ろうと歩いていると、向こうの方でベンチに座ると、に声をかけている男二人組の姿が目に入った。なっ、なんだ?!ナンパか?!
ジェラートを落とさないように細心の注意を払いながら全力ダッシュでのもとへと駆け寄っていくと、何だかすごく聞き覚えのある声が叫ぶのが聞こえた。
「えぇっ?!梶くんの双子の妹なのっ?!梶くんって双子だったの?!っていうか、そっくりだね!!」
「ホント、そっくり~!梶くんを小さくして、もっとマイルドにした感じだね」
俺はその声を聞いた瞬間、男二人組の正体を理解した。
「十四松先輩にチョロ松先輩!!」
声をかけると、小野さんがぐりんとこちらに顔を向けて、ニヤと笑った。
「おっ、真打ち登場~!」
「なになに~、妹さんとデート中?!」と、神谷さん。
「デート中なのか?梶くん?なぁオイなぁオイなぁオイ」
「ぐふふふ」
ニヤニヤと、いい年した大人達が中学生みたいな絡み方をしてくるものだから、俺は思い切り大きなため息をついた。
「そうですよ!邪魔しないでもらえますか?!」
「おっふ…まったく照れることも動じることも無い…だと?!」
ジロリと睨むと、まるでアニメのキャラクターのようなリアクションをして小野さんがたじろぐ。
まぁ、本職だからなんの違和感もないんだけど。
「何でこんなところにいるんですか、小野さん。神谷さんも」