第1章
…
二人が一緒にいる経緯から、ジェラートを食べに来たのだという目的まで聞き終わってから、自分で聞いておきながら俺は「早くどっか行ってくんないかな。との時間が減っちゃう」などと思っていた。
買ってきたジェラートは、溶けてしまうからすでにに渡してある。俺のストロベリージェラートは、悪魔二人に強奪された。
「でもさぁ~、本当にそっくりだよね。最初、梶くんと間違えちゃったよ」
俺から奪い取ったジェラートをもぐもぐと食べながら小野さんが言う。
「でもやっぱり違うよね。梶くんみたいに反抗的な目つきしてないし、何かちっちゃくて猫みたいだし」
神谷さんも、(元)俺のジェラートを頬張りながら、ニコニコとに笑いかけている。あ、この人猫好きだった。
何か今にも頭とか撫でそうで心配だな…。
一方のはというと、初対面の男二人にニコニコと笑いかけられて、若干緊張した顔をしている。俺の買ってきたジェラートをちびちび食べては、愛想笑いをしている。ひきつった顔も可愛いなぁ!
だがしかし…、このクソ先輩たちには早々にお引き取りいただかなければ…。
俺との楽しい休日のために…!