第1章
はフリーランスの仕事をしているから、不定期な俺の休みにも都合を合わせやすい。というか、いつも頑張って合わせてくれている。本当にありがたい。
仕事は順調だし、良い先輩にも恵まれて、それに関しては何の不満もない。不満どころか感謝しかない。
だけど、いかんせん休みが少ないし、あっても数時間単位とか不定期だったりする。だから当然と会える時間も少なくて、そこだけが唯一俺の悩みかも知れない。
「はー、歩き回ったら何か喉渇いちゃったな。小腹も空いたな。アイスが食べたいな」と、がポツポツ言った。
それを聞いて俺は少し目を丸くする。
「えっ、さっき昼飯の時にデザートでパフェ食ってただろ?!」
「あんなもんは、もう消滅したよ。私のお腹は暗黒空間につながっているんだ…」
「ひとりひとり、順番に、暗黒空間にバラまいてやる…」
「あはははっ、似てる~!」
きゃっきゃと笑い声をあげるは、実際の年齢よりもずいぶん若く見える。
俺も童顔と言われることがたまにあるけど、に比べたら少ないほうだと思う。
俺たちはとっくに成人しているのに、は今でも居酒屋で年齢確認をされることがあって、本人はその度に、もともと丸い顔をさらに丸く膨らませてプリプリと怒っていた。
でもそんな風にして怒っている顔も可愛い。もちろん笑っている顔も可愛い。もう、ヨダレを垂らして半目で寝てたとしても可愛いと思う。
いや、例えばの話だけど。は決してそんなだらしのない寝方はしないけれども!