第16章 番外編 世界一幸せな・・・
暇だ。
率直に言えば、暇。
はいないし、本を読むのも飽きたし。
そろそろお昼だ。
とりあえず食堂に向かう事にした。
「あ、カイリ様!」
先に食堂についていたが嬉しそうな顔をした。
「おつかれ。もう終わった?」
「それが、まだ・・・。」
申し訳なさそうな顔をするに大変そうだなと思った。
「そうか。俺が力になれる事があれば何でも言えよ。」
「え、なんでも?」
「あぁ。」
それがなんだと言うのだろう。
少し間があったあと、うつむき気味のが控えめに言ってきた。
「じゃ、じゃあ、キスしてください・・・。」
驚いた。そんな事でいいのか。
それはむしろ、したいけど・・・。
いや、そうじゃなくて。
はそれでいいのか。
なかなかしないカイリに勘違いしたのか、慌ててが訂正した。
「や、やっぱ今の無しで!ごめんなさい、変なこと・・・っん」
言葉を遮ってに口づける。
なんだか甘い気がする。気のせいかな。
「ん、これでいい?」
「は、はい・・・。」
が顔を真っ赤にした。
前はの方からトランプやピクニックをしようだの死ぬなだの言ってきたのに。
結婚してから、というか付き合ってから攻守交代した気がする。
は熱くなった顔を誤魔化すように昼食をかきこんでいた。