第13章 魔王様・・・!
「っ、あかない・・・」
この部屋の唯一の出入り口、ドアには鍵がかかっている。
押しても引いてもビクともしない。
助走をつけて体当たりしても、ドアノブをいくら回しても、結果は変わらなかった。
「うそ・・・どうしよう・・・」
その時、一つのことを思いつく。
外へ繋がっているのはなにも、ドアだけじゃない。
ベッドに飛び乗った。塔の下には誰もいないようだ。
とりあえず、やってみよう。
このまま何もしないよりはまし。
この窓の大きさなら、出られるはず。
着地に失敗したら死ぬけど。
「えいっっ!!」
思い切り鉄格子を外に押し出す。
ガシャンという音を立てて少しだけ外側にずれた。
「やった!」
いきおいをつけて何回か押すと、いきなり鉄格子が外れた。
(まずい、落ちる!!)
ギュッと目を瞑った。
塔は結構高かった気がする。
このままじゃ死んじゃう!
(ダメだ、魔王様のところまで行かなくちゃ!)
瞬間的に着地の体制に移る。
でも、間に合うはずがなかった。
(魔王様、だれか、助けてーー)