• テキストサイズ

魔王様の日常

第13章 魔王様・・・!


「っ、あかない・・・」

この部屋の唯一の出入り口、ドアには鍵がかかっている。
押しても引いてもビクともしない。
助走をつけて体当たりしても、ドアノブをいくら回しても、結果は変わらなかった。

「うそ・・・どうしよう・・・」

その時、一つのことを思いつく。
外へ繋がっているのはなにも、ドアだけじゃない。
ベッドに飛び乗った。塔の下には誰もいないようだ。

とりあえず、やってみよう。
このまま何もしないよりはまし。
この窓の大きさなら、出られるはず。
着地に失敗したら死ぬけど。

「えいっっ!!」

思い切り鉄格子を外に押し出す。
ガシャンという音を立てて少しだけ外側にずれた。

「やった!」

いきおいをつけて何回か押すと、いきなり鉄格子が外れた。

(まずい、落ちる!!)

ギュッと目を瞑った。
塔は結構高かった気がする。
このままじゃ死んじゃう!

(ダメだ、魔王様のところまで行かなくちゃ!)

瞬間的に着地の体制に移る。
でも、間に合うはずがなかった。

(魔王様、だれか、助けてーー)
/ 85ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp