第12章 異変
「みんなして、何?アンナまでいないし。一人で食べるなんて、滅多にないことね。」
そう言いつつもいただきます、と手を合わせて食べ始める。
今日の料理は美味しいけれど、味気ない。
一人で食べるご飯は寂しかった。
(何かがあったのは間違いないけれど・・・まさか、勇者が?)
そう思い至ると、直ぐにでも部屋を出て行きたい気分になった。
急いで朝食を口にかきこむ。
お行儀悪いとか、そんなのを気にしている場合じゃない。
もうすぐで食べ終わるころ、がちゃりと誰かが部屋に入ってくる音がした。
は目をドアの方に向ける。
「カイリ様!」
「、元気か。」
「はい、とっても!今日は何かあったんですか?」
「いや、なんでも。食べきったら、少しそこに座っててくれ。待ってるから。」
「?はい。」
疑問に思ったものの、待たせると悪いのですぐに食べきる。
いつになく真面目なトーンで魔王は話し始めた。
「これ、飲んでいいぞ。俺のおすすめ。」
「ありがとうございます!」