第8章 魔王様は 私が・・・
「おはようございます、魔王様!」
「おはよー。」
「おはようございます、様。おや、今日はいつもに増してお可愛らしいですね。
「ありがとうございます。」
(やった!褒めてもらえた。秘書さんにだけど。魔王様は・・・)
「魔王様、今日の様は一段とお可愛らしいと思いません?」
気を利かせたのか、魔王様への意地悪なのか、まぁきっと後者ではあろうが秘書が魔王に尋ねた。
魔王はそっぽを向いて一言、
「良いんじゃないか」
とだけ答えた。
は頰が赤くなってる気がした。
小さい声で
「ありがとうございます」
とお礼を言った。
冷めないうちに食べましょう、と言った秘書さんのお陰で直ぐに食事が始まった。
今日のは少し大人っぽい膝丈で白と黒のワンピース。
肩より少し長い金髪はお団子にしてもらった。
(いつもよりちょっとだけ頑張ったの、魔王様気がついてくれるかな?)
魔王様への気持ちは、気がついているような、気がついていないような。
理屈ではわからない。恋なんてしたことない。ただ、感覚で「あぁ、好きだな」と感じ取っていた。