第8章 魔王様は 私が・・・
翌朝。は起きたばかりで、朝の支度をしていた。
(はー、なんか魔王様と顔合わせにくいな)
別に魔王様を嫌いになったわけじゃない。
気まずいわけでもない。
なんか、恥ずかしい。
「何でだろう・・・。」
「どうかなさいましたか、様。」
アンナが尋ねてくる。
それに首を振ってううん、と答えた。
それにしても、今日の服はどうしようかな?
いつもなら直感でこっち!って選ぶのだけど、今日はオシャレしたい気分というか、可愛くなりたいなぁ、なんて。
「なんでもないの。ねぇ、こっちの服とこっちの服、どっちが良いかしら?」
「まぁ、様がそんな事聞いてくるなんて珍しいですね。誰か好きな人でもできました?」
「好きな、人・・・」
顔が熱くなる。
好き?魔王様が?違うわよ。
多分。あの人は兄様みたいなものだもん。
昨日ドキドキしたのは気のせいでしょ。
「いや、なんというか、そういう気分?だから。」
「えっと、様にはこちらのワンピースの方がお似合いだと思いますよ。」
「じゃ、これにするわね。」
朝の支度を整えると、食堂に向かった。