第7章 魔王の生き方
「魔王様って、人間じゃないじゃないですか。」
「えぇ。」
「だから、結婚したり恋人になったりするのは同じ種類の生物・・・だから、魔王?じゃないといけないんです。
人間とは、結婚できませんから。ですが、魔王様みたいな種類の生物がこの周辺に住んでいたり、訪ねて来たことはありません。
だから、結婚はしないのかな、と。」
「どうして人間とは結婚できないの?別に、生きる年数以外は一緒でしょう?」
「魔王様は人間よりも50倍くらい長生きなんです。と言うことは、人間と結婚してもお嫁さんはすぐに亡くなってしまうわけじゃないですか。」
だから、人間とは結婚も、恋人になることも、不可能なんです。とアンナは続けた。
「あ・・・確かに。」
考えたこともなかった、そんな事。
周りの人間達の寿命がすぐに来て、自分でいう15、6年くらいの長さしか生きられない。
仲のいい人も、好きな人も全員、すぐにいなくなってしまうんだ。
そう思ったら、魔王様が可哀想になってきた。
可哀想、という言い方は良い言い方ではないが。
今までどんなに寂しかっただろう。
どんなに魔王と人間の寿命の差を恨めしく思ったんだろう。
「魔王様、寂しいかしら。」
なんとかそう言った。他に言う言葉はみつからなかった。
「今は、秘書さんや様がいらっしゃるので、毎日楽しそうですよ。」
「そう。なら良かった。」