第7章 魔王の生き方

「特別・・・良いわね、恋をして特別な男の子ができるって。」

「まぁ、別れは辛くなりますけどね。」

「でも、良いじゃない。私も一回経験してみたいものだわ。あ、そうだ。魔王様にはいらっしゃるのかしら？”特別な娘”。」

特別な娘とは勿論好きな相手のことだ。
魔王様も誰かに恋い焦がれているのかしら。

「さぁ、わかりかねます。恋の話だと今までみたいに、直接聞くのもためらわれますしね。」

それを聞いて、あぁ、異性の恋路なんてむやみやたらに引っ掻き回すもんじゃないものね、と納得した。
本当なら今すぐ確かめたい気分だった。
兄様の恋の話を聞きたいのと同じ感じかしら、と思ってみた。

「えぇ、そうね。年齢は適齢期だとは思うけどね。」

「・・・・魔王様は、誰とも結婚はなさらないかもしれません。」

アンナが急に少し低めのトーンになった。

「アンナ？どうして？」

「あ、いえ。なんとなく。その・・。」

「いいわ。誰にも言わないし。話してみてよ。憶測でいいから。」

そういうと、アンナは小さめの声でアンナの考えを話し始めた。