第6章 魔王様と姫の関係性
「魔王様って随分長生きなんですね。私、てっきり少し上くらいかと思っていました。私より1000歳異常も年上だったんですね。」
「魔王だからな。人間の寿命は短いが、俺らは4000歳くらいまで生きられるから。」
普通の人間より丈夫だしな、と魔王様は続けた。
「そうなんですね。あ、秘書さんももしかして1500歳くらいだったりします?」
「いえ、私は単なる人間ですので。この屋敷にいる従者やメイドなども、皆人間ですよ。」
(そうなんだ。じゃあ、わたしだけが人間、って訳じゃないのね。あ、そういえばアンナも人間だものね。)
魔王様は1000と24歳。私は16。
つまり、私たちは1008歳の差がある。
4000歳くらいまで生きられると言うことは、魔王様は人間でいう20くらいなんだろう。
そう考えると、4つ上くらいの感じで接してもいいのかもしれない。
実を言うと、は嬉しかった。
偶に遊んでくれる、優しい(と思っている)魔王の存在は兄のようだ。
「姫」という立場上兄弟や家族と思う存分遊んだり、ワガママを言って甘えたりする事はほとんどなかった。
だから、唯一甘えられる魔王の存在はありがたかったし、魔王の前では少し幼くなってしまう。