第5章 兄妹のような
仕事に行ってしまった(屋敷の中だけど)魔王様を見送り、部屋に戻る。
今日は何をしようかしら、なんて考えていると扉がノックされた。
「はーい、どうぞ」
扉を開けるとそこにいたのは数人のメイドと、カートに乗った大量の物。
8台ほどのカートが運び込まれ、唖然とする。
「魔王様からです。好きなもので遊ぶように、と。」
(暇を持て余している私に、くれるって事?)
そこにはトランプなどのおなじみのカードゲームから、小説や漫画などの本、ぬいぐるみや人形、裁縫セットや縄跳びと、全く統一性の無い色々な物が乗っていた。
「沢山あるわね。」
「集められる限り集めて持っていけと、魔王様が。」
「魔王様、余程姫様のことを気に入っていらっしゃるんですよ。」
それからメイド達と喋りながら貰うものを選んでいるとあっという間に時間が過ぎた。
結局本やカードゲームを何種類かとっておき、後は倉庫に仕舞っておいてもらうようお願いした。
「後で、魔王様とも遊びたいわ。トランプはお好きかしら?ポーカーの方が得意かもしれないわね。ね、アンナ。魔王様、何がお好きかしら?」
「ご自分で聞いてみてはいかがでしょう?」
「そうね、そうするわ!」