第5章 兄妹のような
ピクニックの翌日。
本性(?)がバレた為魔王様も自然体。
壁もなくて、打ち解けている。
「あ、おはようございます、魔王様!」
「おぉ、か。おはよう。」
「そういえば昨日もピクニック終わった後部屋にいたんですけど、暇になっちゃって・・・。」
ここにきてから1番の悩みを告げてみる。
暇で暇で仕方がないのだ。
仲良くなった今しか、言うタイミングはない。
「なにか、欲しいんです。暇にならないものが。」
「あぁ、なんだ。後でメイドに届けさせよう。」
「はいっ!ありがとうございます!」
「よかったですね、姫様。」
周りのメイドもはしゃぎ出す。
「仲良くなられたんですねぇ。」
「姫さまは連日退屈そうにしていらっしゃいましたし、これでもう安心ですね」
「昨日のピクニックはどうだったんですか?」
メイドたちが思い思いに口を開く。
すると、魔王が驚いたような表情をした。
「お前はメイドにも好かれているのか。驚いたな。」
メイド“にも”?まぁいいや。
「メイドさん達はいつも私の事を気遣ってくれるんです。」
魔王様は複雑そうな表情を浮かべ、
「そうか。」
と一言だけ呟いた。