第2章 トラウマ
「すぅー…はぁっ。」
涙をゴシゴシと拭いて
大きく深呼吸をした。
(よし、涙止まった。)
ガラッと大きくドアを開ければ
、彼と女の子たちが、こちらをびっくりしたように見つめている。
そんな視線を一切無視してドスドス怪獣が歩くように中へ入り、
自分の机の中にある、忘れ物の筆箱を持ち、すぐにドアの方へ歩いた。
その姿に一番動揺して、近寄ってくるカカシを、無言で睨みつける。
「、待って、待ってよ!!」
カカシが
目を大きく開けて
縋るように叫んでいる。
私はカカシを見ないで
彼を無理矢理、押し退けて教室を出た。
「待って、ごめん!今のは違うんだ、聞いてよ!」
(何が違うんだ、意味がわかんない。はいはい、可愛くないんでしょ?)
無視して廊下を歩いているのに、まだ追いかけてくるカカシが滑稽に思えた。
もっとイライラしてきて、
ゆっくり振り返り、
この怒りを
カカシに一気にぶつけた。
「あーそっか、いっつも意地悪言ってくるのは、カカシは私が嫌いだったんだね。ブスーってしてるのは、あんたが嫌味ばっか言うからでしょう?」
はっきりと大きな声を張り上げ、
彼を涙を溜めながら睨んだ。
ここまでキツイ言い方をして
喋るのは初めてだ。
激昂してしまい、もう止まらない。