第11章 心の変化
「うわ、のぼせたかも…」
湯船の中で色々、
考え事をしながら入っていたせいで、長湯した…。
身体がフラフラする。
(子供みたい、何歳よ。)
バスタオル姿で頭をタオルで拭き、脱衣所から出て、
冷蔵庫に入っているスポーツドリンクを飲むが、
まだ身体が火照って暑い。
まだカカシは帰っていない。
時計を見れば9時を過ぎている。
彼がいたら、さすがに
こんな格好でウロウロしない。
ソファにもたれかかるように
座り、ふと壁にかかるカレンダーに目を向けた。
(明日で休みは終わりだ。
明後日から任務が始まる…)
休みの時間は、経つのが早い。
改めて感じる。
この家は居心地が良すぎる。
専業主婦のように過ごし、
毎日の家事は苦ではない。
むしろ楽しいと感じている。
日々をゆったりした気持ちで
過ごさせてもらっていた。
「あー、眠い…」
昨夜、考え事をし過ぎて、
あまり眠れていない。
今、一気に睡魔が
襲ってきた。
(眠い…30分ぐらい...いけるよね)
ほんの少しだけ寝ようと
目を閉じ、ゆっくり、
意識が遠のいていくのを感じた。
………
カカシといると落ち着く。
無理をしなくていい。
カカシのそばに座り、
お互い好きな事をして、
何も話をしていなくても、
居心地がいい。
話をしても気を使わず、
素で話をしている。
私はリラックスして
毎日を過ごしている。
(そういう雰囲気の時は
ドキドキしてるんだけどね…。)
カカシを、私は大嫌いだった。
飲み会では遠くの席に座り、
待機所でも、離れて座る。
それぐらい嫌いだった。
だけど今は違う。
気の合う異性の男性に、
変化している。
身体を安心して任せれる
信頼出来る男の人
もっとふれて欲しいと
願ってしまう人
友人という感情ではなく、
キスをしたい、抱きしめたい
と、欲望が溢れてしまう人
私はもう、彼が嫌いではない。
たった6日間で私は
心変わりをしている。
その事に私は、
気がついてしまった。
気持ちに追いつけなくて、
ずっと、
自分を気持ち悪く
感じていた。
今、
彼がいない時間を
寂しいと感じている。
早く帰ってきて欲しいと、
願っている。
流石にもう、ここまできたら
馬鹿ではない。
私は わかっている。
カカシは私にとって、
大切な人に
変化している。