第10章 嫌いな理由
下のパジャマに
カカシが手を入れた瞬間、
思わず彼の手を掴んだ。
「…っ!だ、だめ…リビングだし。」
リビングではなかったらオッケーなのか?情け無い理由だ。
「ふっ…ここまでオッケーなんだ。
いい事が分かった。」
私の反応を面白がるように笑っている。
今度は私が泣きそうになる。
「酷、…い。」
「の方が酷いでしょ。
何年いじめられてきたと思ってるのよ。」
そう呟き、
満足そうに抱きしめたまま
全然離してくれない。
だけど、
私も離れようとしない。
カカシに抱きしめられるのが
私は好きなようだ。
安心して身を預けている。
「ねぇ、嫌じゃなかったよね。
気持ち悪くなかったでしょ?」
「気持ち悪いなんて、感じたことないよ?カカシに。」
吹き出しそうになるのを
堪えていた。
「気持ち悪いって泣かれたら
俺、もう立ち直れないからね。良かった。」
頭に、キスを落としながら
優しく髪を撫でて微笑んでいた。