第10章 嫌いな理由
「だから、
何の話をしてるのよ?」
「俺が嫌いなくせに
昨日受け入れたよね。」
彼の言葉にフラッシュバックしてしまい、
一気に顔が熱くなって、
口元を手で隠すように置いた。
「…今それ、言う…?」
欲求不満な人間だと
思われていないだろうか、
恥ずかしくなる。
ギュッと拳に力が入る。
何故こんな話になっているのか、よく分からない。
「、
ねぇ、触っていい?
嫌なら本気で殴って
上に行って?」
目を逸らし、
下を向いていたせいか、
彼がこんなに
近くにいる事に今気がついた。
一気に心拍が上がる。
「カカシ…」
「段階踏むから、
無理になったら教えて。
手は?肩は?腰は?」
そう言って右腕を撫で、
指を絡ませたり、
肩に触れられたりしている。
いつもの私なら
怒鳴りつけて立ち上がり
自分の部屋に戻るはずだ。
何故、黙ってされるがままに
なっているのだろう。
どんどん進んでいくのに、
もっと触って欲しいと
彼の手が
触れる事を待っている。