第10章 嫌いな理由
「俺は全然完璧じゃないよ?
失敗ばっかりでさ、本当に情け無いよ。」
「そんなことない。
少なくとも、私より
優れているじゃない。
嫌いな理由は、
貴方に嫉妬しているだけだから。羨ましいのよ。」
「………」
「カカシは、完璧で、
弱点なんか一つも
ないんじゃない?」
そう自分をスラスラ喋るように卑下してみたが、
決して慰めて欲しいわけではない。
自分の考えを、完璧な彼に
聞いて欲しかっただけだ。
「確か、この深層心理は、
自分に自信がない人、失敗を恐がっている人、だったかな。」
(自分に自信がない…当たってるなぁ、本当に嫌になる。)
あっけらかんと話しながら
彼に目線を
もう一度向ければ、
泣きそうな顔をしているのだ。
「弱点なんか、探せば幾らでもあるからね。が知らないだけだよ。は俺の一部分しか見てないよ。見えた部分だけで勝手に決めつけているだけでしょ?」
「そう?…例えば?」
「。」
「は??何を言い出すの?」
「俺は、本当にまったく
ダメなの?絶対無理なわけ?
は、
言ってる事と行動が
伴わなってないでしょうが。」
だんだんイライラしてきたのか、
口調がキツくなる。