第10章 嫌いな理由
「それ何?」
夕食後、お風呂上がりにソファで本を読んでいると左側から声が聞こえた。
当たり前のように
となりに座りながら
カカシが覗き込んで見てくる。
【30分で出来るおかず・作り置き用、簡単便利おかず】
「あ、これ?
今日買ったんだ。
簡単に出来そうだと思わない?
カカシに料理を作るからね、
レパートリー増やそうと思って。」
見て見て!と本を
カカシに見せるが、
あんまり興味がないようだ。
「いや、別に
無理しなくていいのに。」
「んー、なんかね、マンネリになるし。
それに私一人用だと適当になっちゃうのよね。
カカシに食べてもらった方が、やる気が出るし助かるの。」
「そういうもん?まあ、俺はご飯作ってくれて助かるけどね。」
カカシはにっこり笑って
私の左手に、
包むように右手を置いて握ってきた。
左手を見て、彼をみた。
(何してんの?)
「何?離してよ、本読めないから。」
「いいじゃん、明日見なよ。
話しようよ。」
敵に本をヒョイと奪われ、
レシピ本は机の上に置かれた。