第6章 すっぴん
「……ごめんな、俺、ガキ過ぎて…生意気だったわ。」
「ううん、大丈夫だから、もう気にしなくていいから。ね?」
彼の顔を覗き込みながら
微笑んだ。
彼の身体が少し離れ、お互い見つめあっていると、
急に、彼の口から声が聞こえた。
「…キスしていい?」
「え?……んっ!」
優しくふれるようなキスから
だんだん押し付けるような
激しい口付けに
変わってきて、彼が少し体温が高いことに気がついた。
(興奮している!?
だめだ、頭がついてこない。)
「だ、だめだよ、カカシ。」
グイと押し返し
彼を見れば、
頬が少し赤く染まっている。
私も顔が真っ赤だ。
どうしよう…。
「えっと…飲み過ぎちゃったね。もう寝るね。お休み。」
急いでその場を離れて
上の部屋に上がった。
布団に横になるが、
頭がパンクしそうだ。
キスが、嫌じゃない事に
私は驚いている。
そして、受け入れていた事に
さらに驚いている。
一番驚いている事は、
もっとして欲しいと
欲していた自分に、だった。
彼が頭から離れない。
欲求不満なんだろうか、
恥ずかしくなる。