第5章 お家
「ここだよ。俺のおうち。」
大きいお家だなーと通り過ぎようとしていたら、
突然、右側から声がした。
思わず掴んでいた右腕を離して
キョロキョロ周りを見渡した。
(いや、デカすぎでしょ…というかこれ、新築…)
「 火影になるしね、…まあ、威厳も大事かなって思って。
ほら、おいでよ。」
グイと引っ張られ、鍵を開けて中に入ると、
大きくて段差のない、
バリアフリーの玄関が広がっている。天井も吹き抜けにより、開放感があふれている。
「凄い…」
思わず言葉をこぼす様に呟いていた。
「最近のお家ってこんなお洒落に出来ているのね、風通しも良さそうだし、あ、大きな窓があるから、昼間は明るくて良さそうね。
火影様、さすがですね。」
私は彼に笑いかけた。
「気に入らなかったら
どうしようかと思って
心配してたんだけど、良かったよ。」
その言葉に一瞬、固まった。
意味がわからなかった。
(私が気に入るか
心配していた…???)
「えーっと、じゃあ、さっそくお邪魔しますね、カカシ様。」
とりあえずスルーしようと
玄関で靴を脱いで上がらせてもらった。
後ろから、小さな溜息が
聞こえたように感じた。