第3章 再会
考え込むように顎に手を置いて
いたら、頭の上から優しい声が聞こえた。
「あ、その事なんだけど、俺のお家おいでよ。引っ越ししたんだけど、部屋がいっぱいあるから空いてるんだよ。」
ソファに座りながら上を見上げるとカカシがニッコリ笑みを浮かべている。
あまりに自然に言うものだから、呆気に取られた。
「いや、…そんな、…悪いし。」
思わずタメ口になるぐらい動揺している。
何故大嫌いな人の家に泊まりに行かないといけないんだ。
「うーん、
火影の命令なんだよね、これ。聞けないの?俺の言う事が。」
その言葉に目をまん丸にして
意地悪に言う彼を見つめた。
火影命令とは何と便利なものなんだろう。
(……私なんか襲うわけないし、いっか。泊めてくれるって言ってくれてるし。)
「カカシ、強引だね。火影様になれば変わるものね。」
私が目を細めて不満気に睨みつけるが、敵は悪い顔をしながら口角を上げている。
「は意地っ張りだから、こう言わないと来ないじゃない。
あ、カカシ様でしょ?タメ口はダメなんじゃないの。」
「は?何よ、急に態度変わってない?」
「カ、カ、シ、様。って言えよ。返事しろよ。ちゃんとお話しも出来ないわけ?」
敵に煽られ、
一気に沸点が上がり切って、
口を開けて文句を言おうとしたが、これでは彼の思う壺だと気づき、辞めた。
(敵にペースを飲み込まれてはダメだ、冷静に、冷静に…)
「ありがとうございます。
カカシ様、お気遣い感謝致します。数日間になるかと思います。その間、ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。」
「…えっ……、本当に…、」
「……?」
小さく呟くように何かを言われ聞き取れなかった。
とにかく宿を確保したのだから
ラッキーだ。