第3章 再会
「、ほら、もう7時だよ?」
遠くからBGMのように
カカシの声が聞こえてくる。
「、ねえ、起きて?」
次はもっと近くに聞こえて、
薄く目を開けると、
真上にカカシが私を
覗きこんでいる。
「え?!あれ、もう7時?…嘘、やだ、すみません!なんか寝てしまってましたね。疲れてたのかな。」
壁にかかる時計を見ながら
ゆっくり起き上がると、
私がソファに今まで寝ている事に気がついた。
「あ…、カカシ様、すみません。
私すっごく重たいのに…。
運んでいただいたんですね。
お気遣いありがとうございます。」
カカシは私を
ソファまで運んで寝かせてくれていたようだ。
なんと毛布まで掛けてくれている。
「いや、そんなに重くなかったけど?あんまり気持ち良さそうに寝てたからね。起こしたら悪いと思ったから。」
当たり前のように言われて、
私は思わず呆気に取られた。
(優しい人だなぁ、本当に。
私なら、無視して帰るのに。)
自分で思わず性格の酷い女だなと思っていたら
ある事を思い出した。
「…あ!!あー、どうしよう。」
あまりに大きな声を出したせいか、カカシが驚いてこちらを伺うよう見つめている。
「何?どうしたの?」
「いえ、宿取れるかなって思って…私の前のアパート無くなってたので…。」
(まだ、空いてるかもしれないし、とりあえず行ってみようか…)