『探偵』前世の記憶を思い出した時、彼は私の恋人でした。
第1章 記憶を思い出したら『萩原研二』の恋人でした。
普通なら、結婚を前提にお付き合いして下さい。という言葉だろうに…萩原刑事の場合間違えていったようには思えないためわざとだろうなとコナンは遠い目をする。
「私に似合うと思ってとかいって高そうな洋服やネックレス、ピアス。この前は婚約指輪を手渡されてね…そういう貢ぐところとか、勿体ないからやめようと伝えても他に使い道ないし、俺がしたいだけだから…なんて言ってね?彼昔はもっと別のことにお金使う人だったのに…」
「それ!絶対に都さんのことが好きなんですよ!」
「もう萩原刑事にしたらどうですか!?二人かなりお似合いですよ!」
「お似合いは違うんじゃないかなー…萩原はカッコイイから本当にモテたのよ。美女を取っかえ引っ変え出来るくらいにねぇ?今更ながら、なんで私の恋人だったのか不思議でならないわ…」
うーん!と悩みつつ、ストローでアイスコーヒーをかき混ぜながら氷を弄ぶ。カラカラと音を立てて、私は一口飲む。
「多分…これは僕の想像ですが、都さんの事をなんとなくですが愛していたからじゃないでしょうか?」
「安室さん…それはありえませんよ。あの萩原ですよ?今はドロッドロ、甘々な空気を惜しげも無く晒してますが、本当に塩対応だったんですよ?口を開けば五月蝿い、気軽に話し掛けんな、お前には関係のないことだ。なんて言われる毎日なんですよ?今の彼を見たら、お前マジ誰だよってなりません?」
「あはは…僕からすれば、それは愛情の裏返しでただ結局傍にいて安心出来たのは都さんなんじゃないかなと…」
「……どうなんでしょう」
私は臆病になっていた、今はいい。でも数年後私よりも可愛らしい子に言い寄られたら?私に伝えた言葉をそっくりそのまま別の女の子に伝えられたら?そんなの私には耐え切れない。
でも彼の友達で同期である安室透こと降谷零が真剣な顔で言ってくれたのだ、優しく背中を押してくれたような気がした。心から友人の幸せを願っているような優しげな視線で私をみる。するとその言葉に便乗するかの如く、蘭ちゃん園子ちゃん、梓ちゃんと応援してくれる。最後にコナンくんは私を見上げて言った。
「いい加減…見てあげなよ。萩原刑事…ずっと都お姉さんの言葉を待ってるよ?まぁ大概萩原刑事に非があるから…なんとも言えねぇけどな」
「…ありがとう、コナンくん。それと皆さんも…」