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『探偵』前世の記憶を思い出した時、彼は私の恋人でした。

第5章 記憶を思い出したら『萩原研二』の恋人でした。2


梓ちゃんは厨房から声を掛けて、私のために手料理を振舞ってくれていた。あぁ…もう本当。

「私は梓ちゃんに貢ぎたい…」
「俺はそんな都を貢ぎたい…」
「いや、会話に入って来なくていいから…というか萩原の場合、貢ぐ金額はいつも桁一つ多いからね?」

なんで手始めに50万とかの宝石を買って来るのよ。後は衣服とかもお金掛けすぎだからね?なんていうジト目の視線を向ければ、嬉しそうに目を細められた。なんで、そんなに嬉しそうなんだ。

「お待たせしました!」
「美味しそう!ありがとう、梓ちゃん!今日も明日も梓ちゃんの手料理で頑張れそうだよっ!」
「ふふ…ありがとうございます。大変お熱くなっておりますので、お気を付けてお召し上がり下さいね?」

そう梓ちゃんの言葉を聞いてから、ナポリタンへと口へ運ぼうとすれば女子大生から逃げるように萩原と松田くんがカウンター席へと移動して私を挟む形で腰掛けて来た。そのまま萩原はフォークを奪い去るようにして、私のナポリタンをフーフーし甘ったるい顔であーんしようとして来る。

「いや、あのさ…萩原。なにやってんの?」
「なにって…あーん?」
「首傾げんな、あざと可愛いなっ!これだからイケメンはっ!」
「イケメンは関係なくね?」

松田くんの声に関係あるよ!と内心頭を抱える。このイケメンにどれだけ振り回されて来たことか。ほら!女子高生達が黄色い声上げてるの聞こえないのかな!?女子大生の嫉妬の視線がかなりヤバいの分からない!?大丈夫だよ、君達は私以上に十分可愛い。多分昔の萩原ならホイホイ誘われたら着いていったタイプだろう。ただ今の萩原は好みのタイプが変わったというのか、見る目がなくなったというのか。そんな感じだと思う。

「ほら、都…あーん」
「私が自分で食べるという選択肢は貴方にはないんですか」
「うん?」
「いや、絶対聞こえてたよね?お願いだから無視しないで?」

ずいずいと強引に口元へナポリタンを進めようとする萩原に引きつった顔を浮かべた。多分私が食べないと、ずっとナポリタンは食べることは出来ないだろうと思う。なので嫌々だが、横髪を耳にかけながら口へと含み食べた。唇がナポリタンのケチャップで赤くなる、舌で舐め取れば目を丸くした萩原がいてじわじわと頬を赤くした。

「えっ、なに?」
「まさかやってくれるなんて思ってなかったから」
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