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『探偵』前世の記憶を思い出した時、彼は私の恋人でした。

第4章 記憶を思い出したら『降谷零』の恋人でした。


「10億円を強奪だなんて…貴女中々やるわね?」
「どうしてっ…私を殺しに来たんですか」
「逆よ。私は貴女を助けに来たのーー…いうならば。問おう。貴女が私のマスターか」

キリリとした顔をして私が前前世からずっと憧れた王。その言葉を口にする。私は彼女へ問い掛けた、理解出来ていなかったけれど小さく頷いた明美ちゃんに私は跪く。

「これより後は、貴殿を主としてお仕え致す。如何なる命にも従う所存」

そう今度は渋めな声を出して、真っ直ぐ明美ちゃんを見た。必ず貴女を救い出して見せる。そう彼女と言葉の契約を交わした私は…先ず彼女に防弾チョッキを着て貰おうと手渡した。

ーーー。

明美ちゃんを救い出し、スコッチのいるセーフハウスへと移る。ジンはやはり後一歩のところで逃す。だからこそ扱いやすいのだと私はほくそ笑む。

「自由になるまでもう少し待ってね?」
「一緒に住むのか?」
「シェアハウスみたいで楽しいでしょう?」
「シェアハウス…」

スコッチからかなり渋い顔をされたが、明美ちゃんを守ると誓ったからにはスコッチがいるほうが安心だろう。私もずっと明美ちゃんに着いてあげられないし、志保ちゃんも助けなければいけないし…まぁ。哀ちゃんになってからでもそれはいいと思うから、もう少し後にしようと思う。

「ちなみに今日から灰原明(はいばらめい)ちゃんね?」
「えっ?」

ーーー。

小さな少女を助けた。バケツをひっくり返したような荒々しい雨粒が襲う、そんなびしょ濡れで地面に倒れ込む少女を救い出して連れ去るように車へ乗せるとセーフハウスへ向かう。こんばんは…久しぶりね、志保ちゃん。いや…今日から君の名は哀ちゃんだ。喜んで貰えたらいいのだけれど…そう気絶している哀ちゃんを見下ろして私は笑った。

ーーー。

「お、お姉ちゃん!?なんで!?」
「えっ、もしかして…志保なの?」

運命の再会だねー…良かった。良かった。そう頷く私に感謝する二人がいる。

「都、お前…何者なんだ?」
「ふぅ…誠実に仕える、と言えば胡散臭いと思われる。不誠実に仕える、と言えばやっぱりと言われる。ヴィランも悲しいものだナー」
「都、俺は真面目に聞いたんだ…はぐらかすのは止めろ」

いや、真面目に伝えたつもりなんだけど…というか誰も理解してくれないのが辛い。そろそろアプリ出来ません?無理ですよね!
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