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『探偵』前世の記憶を思い出した時、彼は私の恋人でした。

第4章 記憶を思い出したら『降谷零』の恋人でした。


「こればかりは仕方ねぇよ。警察側から組織の人間に情報渡していた、なんていう話しを聞いたら俺も身動き取れねぇしな…」
「そう言ってもらえると助かるわ…時間が来たら貴方を必ず警察へ逃がすから、もう少し待って」
「あぁ…でも、良かったのか。バーボンのこと…」
「私はバーボンに愛して貰えた…これ以上は何もいらないわ」
「都…」

スコッチがバレたのは警察側に組織の人間がいたからだった。その証拠を私は彼に見せて今私のセーフハウスの一つに住んで貰っている。少し悲しげな顔をした彼は本当に優しい人だと呆れたように笑った。

ーーー。

次は松田さんである。萩原さんが生きているから病院は放置して私は遊園地へ向かった。観覧車に乗り込んだ彼を見て、私はその下の観覧車へと乗り込む。捜査一課の人間が止めに入ったけれど、生まれ持っての運動神経の良さで逃げた。そして閉まっていない観覧車のドアを開けて、私は彼の元へと登る。呑気に煙草を吸っている松田さんへコンコンと軽くノックした。ギョッとする松田さんに軽く手を振りドアを開ける。そして私も彼の前へと乗車した。

「お前…どこから」
「貴方を助けに来ました。あの人のご友人ですもの…私は皆から人でなしと言われますが、情は移るものです…」
「……どうやって入って来たかは知らねぇが、命が惜しいなら今直ぐ飛び降りろ。今落ちても死にはしねぇよ…」
「あら、警察官が無情なことを仰るんですね?もう諦めてしまったのですか?手を止めて悠長に構えているのは、相手の爆弾魔にでも脅されましたか?うん、このまま行けば爆死ですね、分かるとも!」

足を組む私はふふふと歪に笑う。ぐっと図星を付かれたのか口を閉ざした松田さんへ大きく頷いた。文字を読んで見れば残り3秒でどこに爆弾を仕掛けたのかが分かるようだ。メールか電話する予定なのだろう…原作のようになっては困る。全てはバーボンのために、全ては安室透のために、全ては降谷零のために…

「ふふ…ではこうしましょう。残り時間でメッセージを読んで下さい。私は貴方を抱えて下へ落ちます、構いませんか?」
「無理だろ、なに考えてんだ…」
「貴方だって無駄死にしたくはないでしょう?その命、私に預からせて下さい…そうですね。強いていうのであればーー…勝つも負けるも派手に使い切ろうじゃないか!」

私は不適切な笑みを浮かべて手を差し伸べた。
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