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『探偵』前世の記憶を思い出した時、彼は私の恋人でした。

第3章 記憶を思い出したら『緑川景光』の恋人でした。


「えっ、えっ…な、なんでだ?」
「私、好きな人がいるの…忘れられない人が…」

そう、目の前の彼だ。私はまだ景光くんが好き。重い女だろう…もう30になった私は未だに彼が好きなのだ。でもこれ以上一緒にいたら、友達じゃ満足出来なくなる。きっと邪魔になる、足でまといになる。そう頭を下げた私に呆然としたショックを受けた顔で景光くんが見ていたなんて気付かなかった。それから景光くんの激しいアプローチが開始されていたなんて、私は気付かなかった。

ーーー。


「都、今日も可愛いな」「仕事頑張ってるけど無理すんなよ」「都と一緒にいると落ち着くな…」「合コンとか止めて俺だけ見てろよ」「都はそのままが一番可愛いぞ」「そういうところ、凄く可愛い…」


駄目だ、私はなぜか景光くんに全力のハニトラを仕掛けられていた。色っぽい、声がいい、顔がいい、身長高い、体付きも素晴らしい…イケメン100点満点である。ポアロで降谷くんやコナンくんがいて、蘭さん、園子さんもいるのにも私の手に触れて囁くように台詞をはいて甘く笑うから、私はじわじわと顔を赤くして口をぱくぱくさせるしかなかったりする。

「友達やめるって…言ったのにっ…」
「嫌だ、都がいないと俺寂しいもん…」

うぅ!可愛い!もんってなんだ!もんって!この人顔がいいのを分かってやっているし、似合っているから本当に心臓に悪い。蘭さんや園子さんに助けを求める顔をしても、寧ろ顔を赤くして応援されるだけで終わってしまった。安室さん、もとい降谷くんにも助けを求めるも苦々しい顔をして「早くくっ付け、鬱陶しい」といった視線を見せてからにっこりと営業スマイルをされただけで終わった。私には最初から味方はいなかったようだ。

「友達やめるなんていうなよ…」
「うぅっ…」
「ずっと傍にいて欲しい、お前じゃなきゃ駄目なんだ…」
「っっわ、分かった…」

結局景光くんのハニトラに勝てるわけもなく、私は頷いてしまった。嬉しそうに私の手にキスをした景光くんはうっとりと笑った。

ーーー。

景光くんヤンデレ疑惑浮上。※ちなみに二人付き合ってません、で。女主→→♡←景光かと思いきや、女主→♡←←←←景光だった系。後に景光くんは女主を全力で落としにかかるけど、好きだと言っていないから勘違いして降谷くんがやきもきするんじゃないかな?
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