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―BLEACH― 月明かりの下 (R18)

第4章 夢と過去②




「休みが明けたら、上司に相談してみるわ。あの子の瞳や夢のことについても、調べてみる。だから…」

そんな顔しないで。麗は呟きながら和真を抱きしめる。
その様子を…凪は見ていた。

(わたしが、父さまと母さまを…しんぱいさせてる…)

少女は不安で震える体を抑えつけて想った。

(しっかりしなくちゃ…父さまと母さまにしんぱいかけないように、つよくなるの…)

凪はそっと布団に戻って目を閉じる。
小さな手を握りしめて、もう一度想った。

(つよく、なりたい。父さまと母さまを守れるくらい…)










『強くなりたいか?』

凪の頭に声が響く。
驚いて目を開けるが、そこには暗闇しか見えなかった。
またあの夢だと理解して、体に力を入れる。

『力が欲しいか?』

再び声が響いた。そして、遠くを一筋の月明かりが暗闇を照らす。
惹かれるように光に近付いた凪の頭に、また声が響いた。

『強くなりたいなら…』

月光の先に人影が見えた気がした。

『俺の名を呼べ』

凪は無意識に人影に手を伸ばす。人影が揺れる。

「あなたは…」


「凪ッ!」

突然訪れた頬への痛みと大声に、凪の視界がチカチカする。
しばらく瞬きを繰り返して、ようやく夢から覚めたことと…
頰を叩かれたことに気が付いた。
目の前の父と母の顔を呆然と見つめる。
母は息を切らして険しい顔をし、自分を叩いたのであろう父が、自分よりも痛そうな顔をしていた。

「と、うさま?…か…かあさま?」


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