第2章 特訓
「キルア」
「うん?」
「今日は何するの?」
ホテルの部屋に戻っている私達3人。
キルアがベッドに腰掛け、アルカはもう1つのベッドでゴロゴロしている。
私はキルアの今日の予定を訊いた。
「今日?何しよっかなー」
キルアが足をブラブラさせて宙を仰ぐ。
「え?キルア何もする事無いの?」
そういえばキルアってやりたい事無いって描かれてあったっけ……。
「お前の念の修行手伝うよ」
キルアが私に微笑んだ。
「ありがとう……。キルア……キルアの将来の夢って何?」
「俺の将来の夢?……うーん……正直言うと叶っちゃってるんだよね。アルカ居るから」
キルアが足をブラブラさせる。
「アルカに頼めばどんな願い事も叶う。チョコロボ君だってたらふく食える」
その横顔がちっとも嬉しそうじゃないのは何故なのキルア――。
「……俺さ、アルカの手を借りないで手に入れたいものがあるんだよね」
キルアが考え込むように彼の口元に手を添えている。
そのままキルアは黙ってしまった。
「何を手に入れたいの?」
「教えない」
キルアは即答し、立ち上がり、着替えを持って浴室に向かった。
シャワー浴びるのかな?
「名前さんお姉ちゃん、遊ぼう!」
アルカが笑顔で私に近づいてきた。
「うん、遊ぼう!」
私はアルカとトランプをして遊んだ。
ハッ!!
これってアルカのおねだり!?
危なっ……断らなくてよかった。
ヒヤヒヤする。
「名前さんお姉ちゃん、着ている服ちょうだい」
「えっ……」
私、これしか服持ってないんだけど……。
でも断ったらどうなるか……。
「いいよ。アルカちゃんに私の服あげる」
「わぁい!!」
アルカがはしゃぐ。
私は上半身に着ている服を脱いだ。
どうしよ……今キルア浴室から出て来ないでっ……!!
そうだ!!バスローブ!!どのホテルにもたぶんあるはず……。
私は立ち上がった。
「どこ行くのお姉ちゃん?ここに居て」
アルカのおねだり……!!
そんなっ……バスローブ探しに行けない!!
「わ……解ったわ」
そういえば3回おねだり聞いたら1つ願い事聞いてもらえるんだよね、確か。