第2章 特訓
「よかったのかい?君が好きだ♡とか言っておかなくて♤」
ヒソカが腰に手を当てながらトランプのカードを舐めた。
「は?」
「まだ告白してないんだろ?♤そのまま死んじゃっていいのかい?♤なんか勿体無いなァ♤」
「無事に帰れるから言わないんだっつーの」
キルアがボソッと呟いた。
「クックックックッ♡威勢だけはいいねェ♡」
キルアはポケットから油の入った小瓶を取り出し、近くにあったベンチをへし折り、ベンチの木の部分にバチッと電気を起こして燃やした。
「よく立っていられるねェ♡でも血の流しすぎで頭フラフラだろうねェ♡」
キルアの持っているベンチの木は勢い良く燃える。
(ああ、頭はフラフラさ。でも俺は負けない。なぜなら)
ヒソカがキルアにバッと近付く。
ヒュッ。
キルアが燃えているベンチの木をヒソカにぶつけた。
が、ヒソカはよけた。
「火が消えちゃったねェ♡考える頭も失っちゃったのかなァ♡」
(バッカじゃねーの。これはこういう使い方するためにあるんだっ!!)
ジュッ!!
キルアの左足が焦げ、次にキルアは右足の傷にベンチの木を当てた。
ジュッ!!
キルアが平然とした顔で今度は腹部を焦がす。
「……止血……か♤」
ヒソカがキルアを睨む。
キルアは素早い動作で傷口全てを焦がして止血し、ベンチの木を投げ捨てた。
キルアの体の至る所に痛々しい火傷が見受けられる。
サッ。
キルアはヒソカから離れて身をかがめて、
「神速(カンムル)!!電光石火!!」
ヒソカから離れた。
「……油断して見失っちゃった♤でも多分この先かな♡そんな気がする♡」
ヒソカはキルアを追い始めた。