第1章 始まりは突然に
「おい」
会長はクルッと振り返った。
私の方を見ていている、ような…
まさか、ね。 だってこの距離で見えるはずないし。
「そこのおしるこ女」
私がさっき買ったドリンクの名前を当てられてビクッと肩を震わせる。
え、何で知ってんの!? バレてる!?
てか、おしるこ女ってどーよ。
「…缶だけ草からはみ出てんだよ」
あれ、気のせいかな。 私の頭上から声がする。
どうやら私は考えるために頭に手を置いたときに一緒におしるこも頭の上に掲げていたらしい。
道理で、何か頭が温かいなと思った。
「おい、こっち向け」
いや、無理です。怖くて貴方の顔なんて見れません。
振り向いたら最後、さっきのプレゼントみたく潰されてしまうかもしれない…!!