第1章 始まりは突然に
ん?
微かに声が聞こえ、誰だろう、と草むらの向こうを覗く。
その向こうの校舎裏では男女が向き合って立っている。
私の角度からは黒髪ロングの清楚な女子が見えるが、男子は後ろ姿で顔が分からない。
(あれは……)
「私…眞木君のことが、好きなの!!」
…な、何ですとっ!!!!!
思わず草むらに隠れる。
これはもしかしてもしかしなくても…こ、告白シーンと言われるヤツですか。
その女の子は顔を真っ赤にしている。
うわわ。あたしここ居てもいいのかな。 早く教室帰んなきゃだし。
…でも、めっちゃ気になる…
ちょっとくらい、良い、よね?
私は野次馬気分でその光景を見つめる。