第1章 始まりは突然に
「瑞希ー!!どうしよう、あたし全然分かんなかったんだけど!!」
とりあえず適当に答え書いて誤魔化したし。
赤点にだけはなりませんように…
「私もよ」と瑞希は、自分の机をくっつけご飯の準備をしながら、話を合わせてくれる。
「瑞希ってば、いつもそんな事言いながら良い点取るんだもんね。羨ましい…」
「そんな事言うなら、あんたも赤点取らないように精進しなさいな」
瑞希は頬を膨らませて口をとがらす私を軽くたしなめる。
まぁ、終わったことなんて気にしないけどね。
これからしばらくは勉強しなくていいんだ、というだらしない思考の私はテスト期間という地獄から解放され、浮かれていた。
これから起こることなんて思っても見ないほどに。