第1章 始まりは突然に
「そこまでして何で生徒会長に?」
はっ、もしかしたらこんな人でも学校を変えたい、とかいう責任感やリーダーシップがあるのかも…!
すると会長は鼻を高くする。
「そりゃあ、会長ってだけで周りからもてはやされるからに決まってんだろ」
……恐ろしくくだらない理由でした、ハイ。
この人もしかしたら、単に頭がいいだけで根はバカなんじゃないだろうか、とさえ思ってしまう。
「それに、一般生徒よりも自由に生活できるしな」
「確かに。やることさえやってりゃ基本何してても怒られないしー」
春樹さんは私からダイヤのキングを取り、適当にテーブルに置く。
「甘いものも食べ放題だし」
そう言う沙織さんから私はカードを取る。 沙織さんは大体が無表情なので、ジョーカーを持っているかどうか分からない。
…最後のは必要なのか。 でも、そうなんだ。 全然知らなかった。
そういうことなら皆がなりたがるわけが分かるかも。