第1章 始まりは突然に
「お菓子では、サクサクパンダが好きです!」
すっごい美味しいんだよね、アレ。遠足とかには絶対持って行ってたし。
すると「…ぶはっ!」と春樹さんが吹き出す。
「さ、咲ちゃんがサクサクパンダ…ははっ!」
「お前…それ、ボケてるつもりか…っ」
「サクサクパンダ…!」
沙織さんはキラキラとした目になった。 もしや、甘いもの好き同士だったりして…!
しかし、会長は口元をプルプルと手で押さえているし、春樹さんに至っては言葉が話せないほどである。
あれ、あたしなんか変なこと言ったかな!?
「ん゛んっ。い…いや、良いと思うよ?」
伊織さんは平静を装ってるつもりかもしれないけど、微かに震えているのがバレバレだし。
「いやーいいわー、咲ちゃん!!」
どうやら春樹さんのツボに見事に入ったようで、私の頭をわしゃわしゃとかき回す。
…まぁ、笑ってもらえるだけマシか。
そんなことだけど、私の生徒会の人たちに対する警戒心は少し薄れた。