第1章 始まりは突然に
そんな中、急に放送が入る。
『えー、一年一組の姫野 咲さん。一年一組の姫野 咲さん。至急生徒会室まで来るように。繰り返します…』
声の主はもちろん、
「…咲。呼ばれてるわよ、生徒会長から。あんた一体何したのよ」
「あ、あはははー…」
なんだこの公開処刑!
というか、何で名前がばれてるのさ!?
クラスの視線が一気に集まる。慣れない注目に耳まで赤くなる。
「い、行ってくるっ!」
視線から逃れるようにして急いで教室から出る。
後ろから「がんばー」と興味なさそうな瑞希の声。
このやろう。人事だと思って。