第1章 始まりは突然に
「お前今日、生徒会室に来いよ」
…何がどうしてそうなった。
「…い、いや、無理です」
生徒会役員でもないのに。
というか、嫌な予感しかしないんですけど。
「無理です、じゃねえよ。 コレは命令だ。 お前みたいな平凡女に拒否権はねぇ」
ビシッとそう言うと、会長は私の手に持っていたおしるこをバッと奪い取り、「こいつがどうなってもしらねえぞ」と言いながら校舎へと向かっていった。
あたしのおしるこ……マイスイートハニーが連れ去られてしまった。
てゆーか。何なの、アイツ。
噂とまるっきり反対なんですけど。 性格悪いし何か俺様だし。
親が理事長だからって、何あの威張りよう!!
しかも、拒否権ねえ、とか上から目線…
……生徒会室来いって言ってたけど、どうしよう…
そうこうしているうちに、校内ではチャイムが鳴る音が聞こえる。
「…あ!!授業忘れてた!!」
鐘の音が響くコンクリートの廊下を急ぎ足で駆け抜ける。