第10章 超えるべき壁たち
「炎の呼吸…壱ノ型 不知火、弐ノ型 昇り炎天、漆ノ型 盛炎のうねり」
「っ!?!?!?!?!?」
壱ノ型 不知火、弐ノ型 昇り炎天、そして広範囲の技である漆ノ型 盛炎のうねり。壱と弐までは対応ができる!! だが…ここまで本気で漆ノ型を繰り出されると……炎が鼻先まで近づいてくる…まずい!
「水の呼吸…参ノ型 流流舞い」
私は咄嗟に技を出し、回避を図る。急に流派を変えたため、技も未熟であり、その後のバランスも崩れてしまう。その隙を付かれた。
「炎の呼吸…伍ノ型 炎虎」
大きな虎の形をした炎が私に牙をむく。…これは技が未熟だとかその後の技の立て直しとか…四の五の言ってる場合じゃない!!
「水の呼吸…陸ノ型 ねじれ渦!!」
本来は、水中でこそ本領を発揮できる技なのだが、この技は近距離でこの攻撃を全周囲防御でき、かつ今の私は上半身と下半身を強くねじった体勢だったため、この技は有利と判断した。私が精一杯その技を繰り出すと、技が虎に直撃し、軌道が逸れ私の袖口を軽く燃やすだけに被害を収める。
「煉獄さ…ん!?!?!?」
ほっとしたのもつかの間。今度はいつの間にか間合いを取っていた煉獄さんが大きく振りかぶっているではないか。私はその大きな構えに見覚えがあった。猗窩座と戦った前任者が……最後に出した奥義!!
「玖ノ型 煉獄!!!!!!」
その技を出す直前…私が叫んだのは言うまでもない。炎の呼吸の奥義、煉獄。自分の家系の名を付けたその技はまさに奥義という名にふさわしく、一瞬で多くの地面の面積を根こそぎ抉った。……あ…私…死ぬ……
「諦めるな!!!!」
刀を下ろそうとした瞬間、兄から怒られたような気がした。すると、無意識のうちに私は技を繰り出していた。
「炎の呼吸…玖ノ型 煉獄!!!!」
こんな見様見真似でよく出たものだと自分でも思う。火事場の馬鹿力というやつだろう。ともかく、技は一応出て、煉獄さんの技と正面からぶつかった。その衝撃で突風が起き、私は目が開けられなくなった。
「う……………」
そして再び目を開けた私が目にしたのは…半壊した屋敷の光景だった。