• テキストサイズ

鬼滅隊の兄と、鬼の姉

第4章 必ず戻る夜明け前には


私の罪。それは私の愚かな勘違いのせいで起こした罪だ。目を閉じればあのおびただしい数の赤が目の奥でちらつく。

私が鬼舞辻無惨から逃げたあの日。後ろも振り返らず走ったあの時、私は一瞬だけ足を止め、後ろを振り返る。辺りはシンッと静まり返り、私を追ってくる影もない。

「……逃げ…られた…?」

そして、私は再び走り出す。そんなわけないのに。どんなにあいつが用済みだと言っても、私は…あいつの……

「娘なんだよ。お前がどれだけ否定しようとな」

男が…口を真っ赤にして私を見る。その瞳には同じく赤い光がちらつき、私は息を呑む。

「…あのお方もお前を褒めておいでだった。俺も満足だ。柱と戦いを交えて俺はさらに強くなった」

彼の後ろに倒れているのは…見覚えのある背中。私は思わず口を抑えた。あそこにも…あそこにも……見覚えのあるたくさんの人が……


「…ここも時期に火がまわる。さっさと行け…」

男の手が近づく。そこからの私の記憶はあまりない。
/ 172ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp