第2章 残酷
~~~炭治郎side~~~
「なんで…なんでこんなことになったんだ…」
俺はまず、家の外に倒れている禰豆子と六太を見つけた。2人とも血だらけで、禰豆子が六太を庇うように倒れている。
「ど…どうした! な、何があったんだ!!」
2人を揺さぶっても反応はない。家の中を見ると、とにかく悲惨だった。血がそこら中に飛び散り、床や天井には鋭い傷跡……そしてそこには……
「母ちゃん…花子……竹雄…茂…禰豆子……六太………幸子は…?」
幸子の姿がなかった。辺り中血の香りがして、鼻が利かない…。俺は叫んだ。
「幸子!!頼む返事をしてくれ!!!」
神様…お願いです。俺から何もかも奪わないでください。母ちゃんも弟妹も…皆死んでしまった。頼む…幸子…
「幸子!……何があったんだ……幸子…………幸子!!!」
幸子は木に寄りかかっていた。俺は急いで幸子の体を触った。外傷は……頭の傷くらいか…。俺は反応を確かめた。
「幸子!しっかりしろ!幸子!!!」
「……お…お兄ちゃん…?」
「幸子!!」
俺は彼女の体を抱きしめた。よかった。本当によかった…。
「お兄ちゃん……皆が……」
俺はハッとして、幸子を見た。
「禰豆子が…禰豆子だけまだぬくもりがあったんだ! 幸子、歩けるか? 山を降りよう!!」
禰豆子を背負った俺は幸子を連れて、山を降りた。