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鬼滅隊の兄と、鬼の姉

第15章 蝶屋敷


俺はフラフラと自分の病室へと戻った。幸子に会いに行こうとしたのだが、面会謝絶と言われてしまったため、俺はとぼとぼと病室へと戻るしかなかったのだ。

「…………熱が上がったのか…」

そこらじゅうが痛む体を動かすが、頭からは幸子の顔が離れなかった。アオイさんたちが慌ただしく動いてくれるその間から、幸子の顔がちらりと見えた。囲炉裏で燃える火のような顔色で…熱に魘されていた。花子たちが風邪で寝込んだ時もあんなに顔は赤くなかった…。幸子の顔を見て少し落ち着きたかったのだが、益々胡蝶さんの言葉が現実味を増してしまう。

幸子が25歳まで生きられない…その言葉に俺は絶望した。さらに…胡蝶さんはこうも付け加えた。

「……しかし、那田蜘蛛山での負傷は大きいものです。彼女は血を流しすぎた後も無茶な動きをされていたので、短時間で鬼化が急激に進行したと思われます。正直、私も前例がないので分かりませんが…ここ数日が山場かもしれませんね」

……数日が山場…。禰豆子を一緒に人間に戻すと約束した幸子……兄と慕ってくれるあの笑顔をもう見れないのかと思うと心の臓がぎゅっと握りつぶされる思いがする。禰豆子……禰豆子……禰豆子ならどうすればいいか分かるか? どうすれば俺達は幸子と一緒にいられるのだろう…
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