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鬼滅隊の兄と、鬼の姉

第15章 蝶屋敷


~炭治郎~
俺たち5人は蝶屋敷で、それぞれが回復するために休息に入った。禰豆子は寝まくり、俺は痛みに耐えまくり、善逸は1人騒ぎまくった。落ち込みまくる伊之助を、俺と善逸の両側から励ましまくる…そんな毎日だった。そして……幸子は……幸子が高熱を出したまま目を覚まさなくなって…10日が経とうとしてた。

「 幸子さんが!?」

それは突然訪れた。朝、キヨちゃんが慌てた様子でアオイさんを呼びに来たのだ。俺は二人の制止も聞かず飛び出した。昨日幸子の部屋へと見舞いに行った時は特に変わりない様子で…他愛もない話で笑い合っていた…はずなのに!!!!

「幸子!!」

まだ完治していない体でようやく妹の部屋まで辿り着くと、幸子はすーっと寝息をたてて眠っていた。傍から見ていれば特に変わりなく見えた。だが、俺は禰豆子が目を覚ますことのなかったあの1年半ほどの出来事が頭を過ぎりゾッとしていた。

「幸子!! 頼む……目を覚ましてくれ!!!!」

揺すっても揺すっても妹の瞼は開くことは無く、幸子の頬を触ると少し熱を帯びていた。

「竈門くん!! 少し下がっていてください!!」

胡蝶さんがやってきて幸子を見てくれている間、俺は呆然とその場に座り込んでいた。隣ではキヨちゃんたちが泣いていた。

「うっ…幸子さん何度起こしても起きられないし、熱もあるし…私…私…」
「ありがとう、きよちゃん。きよちゃんが見つけてくれたから早く治療ができるんだよ。きっと大丈夫だから…!」

俺はきよちゃんにそう励しの言葉をかけたが、心の中では不安でいっぱいだった。……これからだって……思ってたんだ。昨日だって、父さんのヒノカミ神楽がなんで技として使えるのか話してて……

「炭治郎君……少し幸子さんについてお話があります。よろしいですか?」

真剣な表情の胡蝶さんに…俺は咄嗟に耳を抑えそうになった。聞きたくない…聞いたら後悔する…そんな気がした。だが、俺は長男だから頷いた。

「幸子…頑張れ!! 負けるな!! 幸子!!!!」

部屋から出る前、俺は幸子の手をしっかりと握り、そう励ました。そして、胡蝶さんの後ろへと着いて行き、そしてやはり…聞いたことを後悔するのだった。
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