• テキストサイズ

鬼滅隊の兄と、鬼の姉

第14章 鬼殺隊柱合裁判


「出てこい鬼ィィお前の大好きな人間の血だァ!!」

バキャッ!! 姉の入っていた箱の扉がが内側から蹴破られる。箱に入っていた姉の体が段々と大きくなる。

「フゥ…フゥ…フゥ」

血塗れの姉が…ジッと不死川さんの腕から滴り落ちる血を見ている。私は体に力を込めた…飢餓状態だ。

「…竈門くん、肺を圧迫されている状態で呼吸を使うと血管が破裂しますよ。幸子さん、せっかく煉獄さんがあなたの怪我を案じてそのような拘束をしていらっしゃるのに、そのように無理に力を入れると内臓に折れた骨が刺さりますよ」

胡蝶さんが忠告してくれたので、私はそれを有難いと思った。

「つまり……兄よりも…怪我の程度は小さくて済むんですね」

じゃあ、尚更私が行かないと…!!!! 私はふぅぅぅっと息を吐いた。

「小さいって…!! 下手すれば、内臓が壊死する可能性もあるんですよ!!!!!!」

私は聞いていなかった。全身の骨がミシミシと音を立て、体中にその音が響いていたからだ。

「竈門くん!! 幸子さん!!」

胡蝶さんの制止する声が聞こえた瞬間だった。私の拘束が緩まったのは……

「すまん不死川」

私は体を捻って地へと降りた。早く……早く姉の元へ行かないと……ふと、脳裏にあの雷色の髪がよく似合う少年の顔が浮かんだ。咄嗟に鈍い痛みが残る足に力を込める。

「煉獄!! てめぇ……っ!!」

ドォン!!!! 辺りに雷が落ちたような音が響き、私は不死川さんの不意をつき、姉と不死川さんの間に割り込むことに成功した。
/ 172ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp