第14章 鬼殺隊柱合裁判
ゴホッ…受け身をろくにとれず、体が床に叩きつけられ、私は息を無理やり吐かされる。しかし、私は必死に歪む視界で姉の服の裾を掴んだ。姉の目はまだ不死川さんの腕に向けられている。ボタボタと涎が落ち、このままでは……っ!!
「お姉ちゃん……人は守り…助けるものだよ。……傷つけないで…。お願い……」
いつの間にか姉の視線が私へと向かれていた。私は強く彼女の服を引っ張る。
「お姉ちゃん…!!」
「禰豆子!!」
姉の視線が兄へと向けられる。私は体の力が抜けていくのを感じた。やっぱりお兄ちゃんは凄いなぁと思いながら。兄の一声で、姉がプイっと不死川さんから顔を背けたからだ。
「どうしたのかな? 」
「鬼の女の子はそっぽ向きました」
私ははぁっと息を吐いた。兄も冨岡さんの手助けで血管が破裂せずに済んだようだ。ふと、姉が私のお腹をそっと触っていた。……まったく、兄と言い姉と言い……自分のことよりも人のことばかりなんだから…。
「……私は大丈夫だよ。ありがとうお姉ちゃん。でも、日の光嫌でしょ…箱の中に入ろ」
私の言葉に姉は箱の中へ入る。箱の扉が開いているので、私は自分の体で隠せるようにその面を自分の方へ向ける。
「………おやすみ…お姉ちゃん…」
私がそういうと、小さい姉がウトウトと目を閉じる。あぁ……駄目だ…視界が歪む。そうして、ようやく私は…自分が限界だったと知った。
私はそこで意識を飛ばしてしまう。あとから、姉が鬼殺隊として認められたということを兄から聞かされるのだった。