第14章 鬼殺隊柱合裁判
「お館様のお成りです」
一触即発…そう思われたが、それを中断させたのはあの最終選別の時の子によく似た子だった。そして、その声とともに襖が開けられ、奥からゆったりとした足取りで、穏やかな顔をした男性が入ってくる。
「お早う皆。今日はとてもいい天気だね。空は青いのかな?顔ぶれがかわらずに、半年に一度の"柱合会議"を迎えられたこと。嬉しく思うよ」
ぐんっと体が下へと引っ張られる感覚がし、煉獄さんの顔と距離が近くなる。……お、驚いたぁ!! 周りを見れば、他の柱の人たちも例外なく片膝をつき敬礼の姿勢をとっていた。
「お館様におかれましても御壮健で何よりです。益々の御多幸を切にお祈り申し上げます」
「ありがとう、実弥」
「恐れながら、柱合会議の前に竈門炭治郎なる鬼を連れた剣士および鬼舞辻無惨の娘について、ご説明いただきたく存じますがよろしいでしょうか?」
…………分かる。分かるよお兄ちゃん。何が言いたいのかすごくよく分かる…。でも、その顔をしてたら流石に失礼だと思う。そんな…きちんと喋り始めた不死川さんを見て、知性も理性も全くなさそうだったのに……っていう顔をしちゃダメだって!!!!
「そうだね。驚かせてしまってすまなかった…」
ハラハラする私はさておき…淡々と進んでいくお話。お館の次の言葉で、柱たちに衝撃が走る。
「炭治郎と禰豆子および幸子のことは私が容認していた。そしてみんなにも認めて欲しいと思っている」
お館様の言葉に、柱たちの約半分は反対の異を唱えた。煉獄さんはただ頷くだけだった。