第14章 鬼殺隊柱合裁判
「ありえねぇんだよ馬鹿がァ!!!!」
ドスッ!! 不死川さんの刀が箱に突き刺さり、箱から血が滴り落ちる。地面に血が滲み、どす黒い水たまりとなる。私はどんどん息が荒くなるのが分かった。
「お姉ちゃん!!!!!!」
しかし、いくら動こうとしても、煉獄さんの緩い…しかし強固な拘束は解けることができない。
「君は絶対に動くと判断したため、このような措置を取らせてもらった」
「っ!!」
つまり最初から計算済みだと…。私が煉獄さんに悔しい顔を向けていると、隣からフッと風が横切った。
「俺の妹を傷つける奴は柱だろうが何だろうが許さない!!!!」
「そうかい、よかったなァ! さっきも同じセリフを聞いた気がするがなァ!!!!」
兄が姉を傷つけられ動いたが…兄は怪我を負っており、さらには両手を後ろで拘束されている。それに比べ、相手はすでに刀を兄に向けており…さらに柱だ。勝ち目がない…!! 兄が切られる!!!!
「お兄ちゃん…!!!! やめっ…」
「やめろ!! もうすぐお館様がいらっしゃるぞ」
冨岡さんの言葉で、ピクっと反応する不死川さん。刀の軌道が逸れ、地面を蹴り飛び上がる兄の衣服に擦る。そして、そのまま頭を突き出した兄と不死川さんの顔面が……衝突した。
ガッ!!!! 鈍い音が辺りに響き、不死川さんも兄も地面に倒れる。
「ブフッ!! ………すみません」
不思議な髪色の女性の柱が思わず吹いて、肩を震わせる。兄を見ると、兄は姉の元へと行き、箱の紐をしっかりと握っていた。
「善良な鬼と悪い鬼の区別もつかないのなら、柱なんてなめてしまえ!!」
「てめェ…ぶっ殺してやる!!」