第14章 鬼殺隊柱合裁判
「……確かに、殺すというのは早急すぎる考えだな」
話にならない…そう誰かが零す言葉に返すように、そう真上から落ち着いた声が聞こえた。
「……煉獄。貴様、鬼の肩を持つ気か?」
ギロッと蛇の男性が睨んだが、それをまるでもろともしない様子で煉獄さんは私を見た。
「俺は俺の継子の肩を持つ。鬼なんぞ裁判の必要もなく、我らだけで斬首すれば良いと思う。だが、俺の継子と認める子が、襲わせないと言うんだ。ならば、この子の師である俺もその言葉に応えよう」
煉獄さんの中の瞳からぱちぱちと優しい炎が飛び散り、私の瞳から涙が溢れた。そして、この人は私をそう評価してくれていたのだと知った。出会って…修行をつけていただいて…まだ幾ばくの時も経っていないというのに……この人は私を信頼してくれている。そう感じられるとともに、私に向けるその信頼にわたしも応えたい…そう思った。
「冨岡に続き、煉獄も隊律違反とは…。最近の隊員の質も落ちるわけだ」
蛇の人は舌打ちをし、煉獄さんと睨み合う。その雰囲気に耐えきれなかったのか、今まで無言だった桜と新緑の色を持つ髪の女の人があのぉ…と口を開いた。
「お館様がこのことを把握してないとは思えないです。勝手に処分しちゃっていいんでしょうか?」
とりあえず待った方が…と提案するその人に場が無言になった時…兄は必死で叫んだ。お館様の話が出た瞬間…その人の意向に沿う方向で話が進んでいる。ここまで信頼されているとは…何者なのだろうかそのお館様というのは…
「妹は俺たちと一緒に戦えます!! 鬼殺隊として人を守るために戦えるんです!! だから…」
「オイオイ、何だか面白いことになってるなァ」