第14章 鬼殺隊柱合裁判
「いつまで寝てんだ!! さっさと起きねぇか!!!!柱の前だぞ!!」
誰かが必死に大声を出して、私を起こそうとしている…そんなに寝過ごしてしまったのだろうか…。私がうっすらと目を開けると、私の目の前に黄色の髪を持つその人が視界に入った。
「よく眠っていたな!! よほど疲れていたのだろう!!」
「れ…煉獄さん!?」
寝ぼけた頭が一瞬に起き、思わず引きつってしまった顔だったが、煉獄さんはにこやかに私を見る。
「お、お疲れのところをすみません!! ありがとうございました!! 」
私が慌てて降りるような素振りを見せるが、煉獄さんのにこやかな拘束に抜け出すことができなかった。……え…な…何故……? 私が困惑した顔で煉獄さんを見ていると…
「幸子!! 怪我は大丈夫か!!」
「お兄ちゃん!?!?」
兄の声が真下から聞こえ首を動かすと、兄がうつ伏せに寝かせられていた。傷には痛々しそうに血が滲んでいる。その兄を中心に私を抱えた煉獄さんや男女合わせて8人が揃っていた。皆、強者の色が見えている。私は一瞬で血の気が引いた。……全員柱だ…。
「ここは鬼殺隊の本部です。あなた方は今から裁判を受けるのですよ。竈門炭治郎くん、幸子さん」
胡蝶さんが眉間に怒りを現して、そう私たちに告げたのだった。
「……ところで煉獄さん。あなた、いつまで幸子さんを抱えていらっしゃるおつもりです? その体勢は折れている肋に悪いと……聞いています?」
「君は軽いな!! ちゃんと食べないと強くなれんぞ!! 今度うちに来い!! 千寿郎の料理は美味しくてな。つい食べすぎていつも叱られてしまうのだ!!」